ファシリティドッグ育成事業

日本初の国際基準に準拠したファシリティドッグ育成事業

ファシリティドッグ候補犬当時のタイ(左:ゴールデンレトリバー・オス、2019年2月23日うまれ)マサ(右:ラブラドルレトリバー・オス、2019年3月7日うまれ)

シャイン・オン!キッズは2019年、国際的な補助犬育成のガイドラインに基づき、ファシリティドッグのトレーニングプログラムを開始しました。

ファシリティドッグを育成・訓練する機関は、国内にはこれまで存在していませんでした。

 

 

勤務中のファシリティドッグ、アニー (神奈川県立こども医療センター)
ハンドラーの大橋真友子とファシリティドッグのアイビー(東京都立小児総合医療センター)。ファシリティドッグ訪問の前後には、しっかりと手指衛生。

2009年プログラム開始当時、国際基準を満たし導入実績のある育成機関は国内には存在していませんでした。そのため、アメリカの育成団体アシスタンス・ドッグス・オブ・ハワイ(Assistance Dogs of Hawaii 以下、ADH)とパートナーシップを結び、ファシリティドッグとしての訓練を修了した犬を取得、トレーニングプログラムの研修も現地で行いました。

安全な事業運営を10年以上することができ、近年では病院からの導入問い合わせも増え、国内需要の変化が実感できるまでになりました。また2019年に静岡県立こども病院では、国内2頭目のファシリティドッグとして活躍してきたヨギが8歳を迎え、後任犬の確保が必要な時期となりました。あらたに浮上したのは「ファシリティドッグを今後どう供給するか」という課題です。

ADHはアメリカのNPO法人として、その成果は基本的にアメリカ社会に還元すべき立場であり、長期にわたる持続は確約し難いことを合意した上で開始した経緯がありました。そこでシャイン・オン!キッズは日本で初めて、ファシリティドッグ専門の犬の育成事業を開始することとなりました。

日本初のファシリティドッグとなったベイリー(写真右)。2018年のベイリーの引退セレモニーには、アシスタンス・ドッグス・オブ・ハワイの理事長夫妻(右)とパピーレイザー 夫妻(左)が駆けつけた。

育成事業の概要

シャイン・オン!キッズは、国内としては初のファシリティドッグ専門の犬の育成事業を開始しました。補助⽝育成団体の世界的な統轄組織、アシスタンス・ドッグス・インターナショナルが定める国際基準と倫理規定に則り遂行します。同組織から認証を受けた機関における豊富な経験とスキルを有する、以下の専属ドッグトレーナー及び監修ドッグトレーナーによって実施されます。

ファシリティドッグ・プログラム・マネージャーの村田夏子(写真左、農学博士、動物行動学専門)と専属ドッグトレーナーのマリーナ・ロドリゲス。羽田空港にて、タイとマサが日本初上陸したときの様子。

キャサリン・ドール

監修ドッグトレーナー、作業療法博士、国際医療修士、認定・登録作業療法士。全米トップのリハビリテーション病院で上級作業療法士として勤務。ファシリティドッグの病院導入を数多く監修した他、自身もハンドラーとして13年以上、市民病院と陸軍病院での勤務経験をもつ。

2頭の候補犬は、適性のある候補犬を幼少期の段階から厳しく選抜するため、盲導犬や介助犬といった”働く犬”に特化し、育種選抜に国際的な評価の高いブリーダー、キャリア・ドッグス・オーストラリア(Career Dogs Australia)から迎えました。

監修ドッグトレーナーのキャサリン・ドール(写真右)神奈川県立こども医療センターへのアニー導入研修時、屋上庭園にて。

犬の育成は、陽性強化を軸とする”ポジティブ・トレーニング”により進め、4ステージから成る過程を進めます。犬の個性に合わせて進めるので、期間は18カ月〜2年ほどになります。期間中、候補犬は約100個のコマンド習得を目指します。また並行して、規定のカリキュラムに沿い、多様な状況に慣れるための社会化トレーニングを進めます。具体的には、様々な場所に慣れる練習(例:ショッピングモール、病院、学校、レストラン他)や、様々な年齢の人や、様々な感触の物に慣れる練習をこなします。それぞれの段階を修了するごとに、候補犬を3つの評価基準、気質、技術とコマンドへの反応性、様々な刺激への反応性について評価します。最終評価は、病院においてフルタイムで活動するための適性について、専属ドッグトレーナーとともに、ファシリティドッグ育成の国際認証をもつ監修ドッグトレーナー立会いのもとで行います。

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