2006年8月1日

インタビュー: ニュージーランドの伝説的クリケット選手、クリス・ケアンズ

ニュージーランドの伝説的クリケット選手、
クリス・ケアンズ
クリストファー・ランス・ケアンズONZM(1970年6月13日生まれ)は、ニュージーランド代表のクリケットチームであるブラック・キャップスでかつてプレイしたオールラウンダーであり、同国の元クリケット選手ランス・ケアンズの息子です。彼は、ニュージーランド国内チャンピオンのカンタベリー、ならびに同国のワンデイおよびテストの各チームのスター選手でした。ケアンズはまた、ブラック・キャップスのキャプテンを7シーズン務めました。ケアンズは、バッティングアベレージ33.53、ボウリングアベレージ29.40でテストキャリアを終えました。2000年には、5人のWisden Cricketers of the Yearのひとりに選ばれました。

クリス・ケアンズは、当団体のチャリティイベント、スポーツ・エクストラバガンザ2006に参加するセレブリティゲストの1人です。スポーツ・エクストラバガンザでは、スポーツ・セレブリティによる病院への慰問祝宴ゴルフデイクリケットマッチなどが行われます。以下は、タイラー基金の共同創設者マーク・フェリスが日本訪問を控えたクリス・ケアンズにインタビューしたものです。

引退後は何をされているのですか?

今はイギリスに拠点を置いています。イギリスに来たのは、ここで複数のビジネスに関わっているからです。家族を連れ出すチャンスですし、国際ゲームからは引退しましたが、別のゲームを楽しんでいます。私には時間も気力もなかったので、家族とリラックスする機会ができたのは良いことです。もう一回夏を楽しめますしね!(笑)

クリケットの国際マッチがなくて寂しいですか?

いえいえ!(笑)もう少し続けられたはずと言ってもらえるのは、ちょっと褒められすぎだと思いますが、誰でも最後は万人を満足させることはできません。引退するのにいい時期なんてありませんが、私の考えでは、終えるのにちょうどいい時期でした。私のキャリアでやったことを楽しんでくれた人たちがいてくれれば嬉しいですね。

もちろん楽しみました。

どうも、そう言ってもらえて感謝します。

対戦した中で最高のボウラーとバッツマンは?あなたを最も苦しめたのは?

シェーン・ウォーンだと思います。特に90年代半ばに頭角を現した頃の。彼から得点するのは本当に困難でした。ボウラーを2人選べば、ウォーンとワジム・アクラムでしょう。バッティングについては、サチン・テンドルカールでしょう。それからマシュー・ヘイデンも。オープニングバッツマン(最も難しい打順)としてヘイデンがそのキャリアでやり遂げたことを見れば分かります。彼は偉大なプレイヤーです。

あなたの成績のすばらしさは一目瞭然です。あなたはテストマッチで87本のシックスを打ちました。特に記憶に残っていることはありますか?

えーと、オーストラリア戦以外すべて!(笑)いえ、冗談ですよ。ヴィヴ・リチャーズの記録を超えたのはいい節目だったと思います。だけど、意図的に記録を破ろうとしたわけではありません。ゲームでプレーしただけです。自分の打法で悪くないバッティングアベレージを残していると思いますし、そのやり方で成長してきました。リチャーズとイアン・ボサムは子どもの頃、私のヒーローでした。ある意味、誰でも憧れの人を手本とするものです。質問に戻ると、特別に記憶に残っていることはありません。すべてを楽しめました。

次回のアッシズについて考えを聞かせてもらえますか?

うーん、タフな試合になるでしょうね。イングランドは全力で取り組む必要があると思いますし、すでにジョーンズの状態がよくないと聞いています。イングランドがアッシズを取り戻すには…得点力は大丈夫だと思います。彼らのバッティングは強力です。けれど、ハーミソンは30ウィケットを取る必要があるでしょう。彼の役割は最も重要です。フリントフについては、皆彼の実力を知っています。彼には常にプレッシャーがかかっています。彼はきっと力を発揮するでしょう。ただし、ハーミソンについては、いい投球をすれば、テストマッチをものにする力があります。勝つためには、彼が30ウィケット以上取る必要があります。

興味深い考えですね。アンパイアに話を移します。アンパイアと最近のゲームでの彼らの役割について考えを聞かせてください。たとえば、あなたがキャリアをスタートさせた頃と比較するといかがですか?

テクノロジーに関しては常にちょっとした混乱がありますが、バッツマンに注目するのと同様、アンパイアにも注目すべきだと思います。彼らは、年間を通じて 95%正確な判定を下します。テストマッチを壊すこともありますが、それは選手も同じです。テクノロジーに存在意義はあると思いますし、併用すればいいと思います。時折話題に上がりますが、総合的には悪くない話です。

日本について何を知っていますか?

実はあまり知りません!(笑)シックス・ア・サイドのトーナメントが香港で数回ありましたが、日本に行ったことはありません。

日本で楽しみにしていることはありますか?

文化ですね。仕事では今までとても幸運でした。クリケットのおかげで、異なる文化を見て、さまざまな人たちに会う機会を持てます。今はもう引退していますが、クリケットのおかげで、日本に行って交流する機会が得られました。すばらしいことです。クリケットにこの機会をもらえてよかったと思います。

すばらしいですね。チャリティーやフェスティバルマッチなどの活動にはたくさん参加されますか?

どのチャリティーも参加する価値があります。私自身、ニュージーランドで2月にChris Cairns Foundationを始める予定です。踏切の安全性に関わるファウンデーションです。私の姉ルイーズは1993年、踏切事故で命を落としました。私は常に、チャリティーを通じて何か役に立てるための時間がほしいと考えていました。私はインドでもチャリティー活動に参加しています。選手を引退した今、こうした活動を支援できるのはすばらしいことです。

では、日本でお会いできることを楽しみにしています。

ありがとうございます。