2010年2月25日

もっとも敷居の低い人を目指して

松元 和子

松元 和子

「病院なのに、なんて明るい所なのだろう!」私が初めて国立成育医療センターに足を踏み入れた時の印象です。色鮮やかな、そしてかわいい飾りが病院の壁や天井を飾っていて、とても温かい雰囲気です。

私が臨床心理士として国立成育医療センターのガン病棟で働き始めて1年になりました。1年前は小児がんの事だけではなく、分からない事だらけでし た。 そんな時にある医師から「もっとも敷居の低い人になりなさい。」との助言を頂きました。あれから1年、私はこの言葉のような臨床心理士になれたのだ ろうか、と自問自答しています。

病棟を歩いていると、大きな声で名前を呼んでくれる子がいます。「聞いてほしいことがあって…」と追いかけて来て下さるお母さんもいます。 夕日が ゆっくり富士山の向こうに沈んでいくのをお部屋の皆で静かに眺めていたこともあります。 ある日はおかあさん達と一緒に日が暮れるまで、男の子が友達やス タッフと遊ぶために部屋を飾る飾りを作りました。 子どもたちやご家族とお話していると、色々なアイデアが出てきます。そして、今度のイベントはどんな 風になるのだろう、と待ち遠しくなります。

私はまだ新米の臨床心理士ですが、この1年で子どもたちとそのご家族から教わった事をヒントにリラックスした時間を皆さんために作り出していきたいと思います。

松元和子は国立成育医療センターシャイン・オン!カウンセリング&サポートプログラムの臨床心理士です。